Vol.362
2024.12.01
☆彡。。・北 風・。。☆彡

 突然!冬がやってきた。突然北風が吹き荒れた。思わず肩をすぼめる私。
なんで・・急に・・と思ったが、11月も終わりに近づいているのにまだ暖かく汗ばむことの方がおかしかったのかも知れない。

ほんとに季節はどうなったの?と不思議でたまらない。福岡は14度、東京は22度・・これが日本?って思うほどの不思議さでもある。

それでも冷え込んできたので池の周りの樹々がとてもきれいに、鮮やかに色づいてきた。その中を悠々と泳ぐカモたちを見ていると昔の日本の原風景を見ているような・・子ども時代に帰ったような気がした。

冬の今頃は母が軒下に干し柿をつるしてくれた。「まだかなぁ~まだかなぁ~!」と、食べたい気持ちを抑えて柿揉みをしていた。渋柿なのに干したらなんで甘くなるのかなぁ~??と不思議だった。

稲刈りが終わるとスズメたちが畑一面に舞い降りてこぼれた稲穂をついばんでいた。そういえばあの頃はスズメもたくさんいたなと思う。小川にはメダカやザリガニ、ドジョウ、アメンボ、みずすまし、シジミ貝、ナマズにウナギもいた。
うなぎといえば、父が夜、罠を仕掛けて朝引き上げてみると5匹も6匹も罠にかかっていた。あの頃、ウナギはどこにでもいるものだと思っていた。
メダカもあんなにたくさん泳いでいたのに、今ではペット店で買うっていうのが驚きだった。

私・・戦後っ子ではあるが・・夏は冷たい水が、冬は暖かい水がでる井戸がなくなり、洗濯板を使って洗濯していたのが機械で出来るようになり、冷暖房が暮らしを豊かにした。一家に一台の電話が一人に一台に変わり・・世の中が大きく変わった。

その変わった世界の中で色づいた世界をみつめ、風を受けながら泳ぐカモの姿に見入って、心の中にある田舎の原風景を抱きしめながらとてつもなく速く動いていく世界に取り残されないように頑張っていきたい。