Vol.265
2020.11.27
☆彡。。・・健康・けんこう・健康・そして、感謝・・。。☆彡

手術を明日に控えた私がいた。どんな手術になるのか・・説明は受けたものの心配だった。というよりも怖かった。ベットに横たわって天井を、ただ天井をじっと見つめていた。と、その時だった。上の方から窓を伝って何かがスーっと下りていったような気がした。
うん?今のは何?と、急いで下の方を見た。次の瞬間、またスーッと何かが下りていった。手術の事ばかりを考えていたので頭がおかしくなったのかと思った。
よく見ると病院の窓の掃除の人だった。屋上から直角になった壁を伝わって一枚一枚の窓を掃除してあった。勿論、命綱はしてあったが風が吹くと大きく揺れながらも窓を拭いてある。

TVで見たことはあったが実際に目の前で見たのは初めてだったのでビックリした。腰にはおそらく水か洗剤が入っているバケツをぶら下げてある。その他、ブラシのようなものもつけてあった。起用に、一枚一枚を拭いて下の段に、下の段に移動していかれる。怖くないのかなぁ~?と心配しながら見ていると私の病室の窓の所まで降りてこられた。どうしていいかわからずとっさにメモ帳に
怖くないですか?」と書いてみせた。ニヤッと笑って首を左右に振られた。

明日、手術なんです・・またメモを見せた。「大丈夫ですよ。頑張ってください。」と窓越しに励ましてくれた。そして、下の段へと下りて行かれた。手術、手術と怖がっていた自分が恥ずかしくなった。たった2本の命綱に自分の命を託して一生懸命に掃除をして・・私の「怖くないですか」の問いかけにもにも笑って答えてくれて、おまけに「大丈夫ですよ。」と励ましてくれた。見ず知らずの人なのに。私は涙が止まらなかった。誰もいない病室で泣くだけ泣いた。するとがスーと落ち着いてきて怖さがなくなった。

ドクターに全てを任せようと思った。術室に入って「永島さん、今から麻酔をしていきます。注射針の所がチカチカと痛みます」と言われた。そして気がついたら自分の病室に戻っていた。無事に手術が終わったんだと思った。見ず知らずの人に励まされ、手術に関わってくださった方々に支えられて今がある。これからは一日も早く回復し、私が皆さんにお返しをする番だと言い聞かせている。