いわし雲か、ひつじ雲か、はっきりわからない雲が青空の中に薄く広く流れるように横たわっている。青空を、雲をみていると季節が秋から晩秋に向かっているのかなぁ~と思えてくる。どこからか銀木犀の花の香りも漂ってくる。
園庭の柿の実もすっかり色づいて食べごろになった。その柿をとろうとした時、「園長先生、柿の実の下で『さるかに合戦』のお話をしたいのでもう少し待ってください」と年中組の担任に言われた。そうか、これも生きた保育になるんだと思った。しばらくすると紙芝居や絵本を持ってきて柿の実の下でお話が始まった。静かに見入っている子どもたちを見た時に取らなくて良かった!と胸をなでおろした私である。
運動会が終わり元気モリモリ、自信いっぱいの【みわだいっこ】たち。今日は ♬~うんとこしょ、どっこいしょ・・~♬の芋ほり遠足である。園のバスに乗って芋畑につくと【みわだいっこ】たちの顔は「さぁ~!お芋ほりをするぞ」の顔に変わった。一目散に芋畑へ・・のつもりが足元が砂地で、おまけに凹凸のある芋畑、中々、進めず恐る恐ると歩いて行く姿を見ていると笑いしか出てこなかった(満三歳児の光景である)
それでも沢山の芋を掘って「今日はお芋を食べる」「ママが沢山掘ってきてねと言ったよ」と口々に話しながらビニールの袋いっぱいになった芋を自分で抱えて持って帰ってきた。部屋の中で「僕の方が大きいよ」「私も大きいよ」と自分で掘った芋の自慢ごっこが始まった。芋と同じようにみんなの顔もキラキラと輝いて芋ほりを楽しんだのが伝わってきた。途中で虫が出てきたり、芋のつるが足に絡まったりしながらも夢中になって掘った芋。
自然の風を受けながら、秋の太陽を受けながら「よいしょ、よいしょ!」と掘った芋。5月の後半からの登園だったが、行事の中止もなく、コロナに負けずに今日まで頑張ってきた甲斐があった。子どもたちの楽しそうな顔を見て涙がこぼれそうになった。これからも前向きな気持ち、姿勢を大切にして「幼児教育」に精一杯!身をささげていきたいと思う。