Vol.224
2019.03.01
☆彡。。・・3月・春・弥生・母の思い出・・。。☆彡

 今日のような天気を春霞というのだろうか?
暖かくて春をいっぱい感じているが、空も時折青空をのぞかせるもののぼんやりとすっきとしない色が流れている。

それでも春だなぁ~と感じる昨今。店頭につくしが並べられている。近くの小川にはセリが生えて風にそよぎながらも水の温もりを感じているようだ。

そのつくしセリを買ってきて卵とじをして食べた。母の味がした。幼い頃、私がつくしを摘んでくるとつくしの袴を取ってよく「つくしの卵とじ」を作ってくれた。それが食卓に並ぶとみんなが「美味しい、美味しい」と言って食べてくれるのがとても嬉しかった。また小川で摘んできたセリは豆腐とピーナッツを刻んで「セリの白和え」を作ってくれた。

またまた、博多湾の和白干潟では潮干狩りが今でも行われているが、大潮の時は潮干狩りを楽しんだ。そして、その日の食卓には必ずあさりの味噌汁があった。潮の香りをいっぱい漂わせてくれるあさりの味噌汁。やっぱり母の味である。

こうやって自然の食べ物を口にしただけでも幼き頃がパーッと浮かんでくるって、私は幸せな日々を、そして、両親に温かく育まれていたのだなぁ~と感謝の気持ちでいっぱいになる。

決して裕福な家庭ではなかった。両親は学歴もなく、ただただ一生懸命に働く姿が今も私の目に、心に、体にしっかりと残っている。

その両親に「大学にいきたい」と言った時(家庭の事情がわかっていたので振り絞るような勇気をもって話したのを覚えている)後ろ姿の母の背中の震えが伝わってきた。「あぁ~、やっぱり駄目だ」と私は諦めた。「留年する余裕はないよ」と母の言葉。必死に涙をこらえたが顔中が涙でいっぱいになった。「ありがとう」の言葉も出ないくらい泣いた。それが今の【美和台幼稚園】の基盤となっている。両親に感謝しながら、子どもたち、保護者、職員に感謝しながらこれかも「幼児教育」の道を歩いて行きたいと思っている。