年長の女の子が10名位で運動会の体育遊びの練習をしていた。自信満々にブリッジの練習に取り組んだ時にAちゃんが転んでしまった。Aちゃんはブリッジが得意で練習も率先してする子だった。今回も自信をもって練習したのに転んでしまった。悔しくて、悔しくて泣いてしまった。大粒の涙・・数えることが出来る位の大粒の涙だった。
大丈夫よ・・と声掛けに行こうとした時、一緒に練習していた子どもたちが
「Aちゃん、大丈夫よ。失敗は誰でもするとよ。」と、頭をなでたり流れる涙を拭いてあげたりしながら慰めていた。「また頑張ればいいやん。」「私たち仲間やけん。」と励まし合っているその姿を見たとき、私は自分の目を疑ったのと同時に感動、感激で目頭が熱くなった。
まだ、5歳、6歳の子どもたちが「失敗してもいいとよ。」「また練習しよう。」
「私たち仲間やけん。」と、皆で駆け寄って励まし、優しく慰めている姿。凄いぞ!【みわだいっこ】って、思った。私のそばにいた男性職員も「園長先生、子どもたちがあんな風に慰め合って、励まし合うなんてビックリしました。子どもたちの心がここまで育っているなんて。」と、男性職員も涙が出そうになったと話した。
子どもたちの心・・きっと!常日頃、両親からの優しさ、思いやり・・愛情をいっぱい注がれて育てられたのだと思う。得てして我々は子どもたちに教えてあげているという錯覚に陥ることがある。決して我々が教えてあげているのではなく「子どもたちが我々に教えてくれている」ということに気づかされた。
子どもたちに教えられる日々の中、これからも子どもたちに愛情をいっぱい注ぎながら一緒に成長していきたいと思った心温まる出来事だった。