Vol.178
2016.07.26
☆彡。。・・思 い 出・・。。☆彡
 梅雨が明けたのと同時に一学期が終わり、そして、同時にセミの鳴き声がこだまする昨今である。夏の空の色は濃い。その中に、もくもくと湧き出る入道雲の白さが余計に夏の暑さをかきたてているようだ。
先日、子どもたちの海遊びのために海の下見に行った。私が生まれた時から遊びの場だった海。広くて青くて大きくて、果てしなく広がっている海。波の音が風を揺さぶり、風が木々を揺さぶっていく。私の帽子が風に運ばれて海に落ちた。波がゆらゆらと帽子と遊んでいる。まるで幼かった私がそこにいるかのように思い出がぱぁ~と広がっていく。
岩場に丸い穴があいている。その丸い穴に石鹸を溶かしてしゃぼん玉遊びをしている私が見えた。しゃぼん玉を飛ばす時・・しゃぼん玉の臭いと同時に麦わらの臭いもした。私が小さい頃は今のようなストローなんてなく麦の茎をストローにして遊んだものだ。麦の茎といえばホタルを取りに行く時に母が麦の茎でホタルかごを編んでくれたのを思い出す。

下見を終えた帰り道に大きな、大きな鬼ゆりの花を見つけた。そういえば昔は松林の中にお墓があった。松の木に囲まれるようにしてお墓があった。石碑のような立派なお墓もあったがほとんどが盛り土(砂でちょっと丸くして押さえてその上に角材のようなものがたてられて何々家の墓と書かれていたような気がする)ちょうど夏が近づき、お盆の頃になるとその鬼ゆりの花がとても綺麗に咲く。花はオレンジ色に近く花弁に黒い斑点がくっきりとついている。お墓の周りに自生していたのかどうかはわからないがお墓を取り囲むようにして咲いていた。子ども心に「綺麗な花だなぁ~!」と思って、たくさん摘んで帰った。ユリの雄しべが服についたらとれないのもわかっていたがこぼれおちんばかり摘んでもって帰った「お母さん!綺麗なユリの花をいっぱい取ってきたぁ~!」私は褒めてもらえると思っていたが・・・叱られた。「お墓の花なんか摘んでこんと!」と、こっぴどく叱られた。涙がポロポロこぼれた。後で母が「折角、仏様が花をみて楽しんであるのにとってきたらさみしがられるやろ」と諭してくれた。その時は「そうだ」と思ったが今では・・

叱られたけどそれもいい【思い出】である。今の子は叱られた経験(思い出)がないという。叱られる中にも親の愛情がいっぱい詰まっていたような気がする。怒って、喧嘩して、ごめんね、と謝って、いいよと許してあって・・そしてまた一緒に遊んで、そこでしていいこと、悪いことを学んでいったような気がする。これからもたくさんの思い出つくりをしていきたいと思う私である。