記録的な猛暑が続いた福岡ではあったが、台風の後、一気に秋がやってきた。
朝夕は肌寒ささえ覚える。春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の良さがいっぱいある日本。一日、一日を大切にして二学期も楽しんでいきたい。
悔しかったこと・・私には子どもがいない。排卵誘発剤の注射を打ったり、卵管透視、人工授精も試みたが子どもを授かることはなかった。「あそこの神社にお参りすると赤ちゃんが授かるよ」「あそこの神社の子宝石を拾ってくるといいよ」とか、「あそこの占い師はよく当たるよ」等、教えていただき、お参りもしてみたが授かることはなかった。自分に子どもがいない分、幼稚園の子どもたちをいっぱい可愛がっていこう・・と気持ちを切り替えた頃だった。ある保護者に「園長先生は子どもがいないから親の気持ちがわからないでしょう」「子育てをした人しか子育ての大変さはわかりませんよ」と言われた。私は返す言葉もなかった。グーの根も出なかった。まさにその通り!と思った。
その後の会話は割愛させていただき、保護者に言われた言葉がずっと耳から離れず(ほんとは心にグッさと突き刺さっていた)ちょっと落ち込んだ。
子どもを産んだことがない人は、本当に子どもの気持ちがわからないのだろうか?親の気持ちがわからないのだろうか?自問自答の日々が続いた。だが、落ち込むのも早いが立ち直るのも早い私。昔から「生みの親より 育ての親」というではないか。子どもが出来なかったことを悔やむより、今、自分に出来ることを考えようと思った。今は何をすればいいのか?何が必要なのか?誰のためにするのか?どうすれば親の気持ちが、子どもの気持ちがわかるのか・・!答えは簡単だった。精一杯!子どもたちが喜ぶことを、楽しいことを、精一杯!子どもたちに真の姿でぶつかっていけばいいのだ。保護者とも真正面からぶつかっていけばいいのだ。成長していく子どもたちの過程を大切にしていけばいいのだ。そして、自分も子どもたち、保護者、職員と共に歩いていけばいいのだ。子どもを産んだこともなければ育てたこともない。だからといって卑屈になるのではなく、子育てにわからない所があれば教えてもらえばいいのだ!そうしているうちに保護者との距離が近くなったような気がする。「こんな時はどうしてる?わからんから教えて」というと、保護者も気持ち良く「私はこうしましたよ」「私もわからんことばかりですよ。園長先生についていきます」有難かった。信頼関係を築き上げていくってこういうことだなぁ~!と思った。ひとつ、ひとつの緻密な努力が実を結ぶのだなぁ~!と思った。【感謝・感動・感激】である。そして、嬉しかったことに私に子どもが・・うんぬん・・と言われた保護者が「園長先生が子どもが出来ないことで苦しんである、ということを後で聞きました」と、謝りに来てくださったことだ。一生懸命!物事に打ち込んでいけば、きっと相手に通じるということを実感した。頑張るぞ!私。