前回に続いて入園式前日の職員の退職の件について話してみたい。入園式前日の職員退職・・誰も考えも想像もしていなかった。「明日、みんなで子どもたちを迎えようね」と、話し合って笑顔で幼稚園を後にした。まさかその2時間後に退職届が出るとは・・本当に予期せぬ出来事であった。
幼稚園に飛んで行って電話をかけながらも私は両親に助けを求めた。必死に職員探しをしている私に・・両親は冷たかった(笑)「しょうがないね。新しい先生がみつかるまではあなたが担任をしなさい」と言う。明日が入園式なのに・・!担任紹介をするときに「まだ、一人、担任が決まってないのでしばらくの間、園長の私が担任をします」なんて言えないだろうが!と、私は両親を恨みながらも必死になって担任探しをしたものだ。
当園の創立20周年記念式典の案内状を元職員に送った。欠席の返事ではあったが一通の手紙が添えてあった。【あんな辞め方をした私に案内状がいただけるなんて思ってもみませんでした。私は結婚をして今、子どもが幼稚園に行っています。もし、自分の子どもの先生が入園式の前の日に辞められた・・と聞いたらきっと怒ると思います。親になって・・いいえ、人としてしてはならないことをしたとずっと心に引っかかっていました・・(略)】と、書いてあった。
私はこの手紙を読んで涙が込み上げてきた。何回も何回も読み返した。【心】の中に、悔しさ、辛さ、情けなさ、恨む気持ち、モヤモヤしたものがずっと引っかかっていたのは私だけではなかった。元職員もずっと引っかかっていたのだ。
何枚にも綴られていた手紙。私が職員探しを必死でしたように元職員も必死でこの手紙を書いてくれたに違いない。「あの時、町立の幼稚園に電話をかけなくてよかった」正直にそう思った。【案内状】出そうか?出すまいか?迷よっていた。しかし、このままでは・・いつまでたっても心のモヤモヤを断ち切ることが出来ない。そう思って出した【案内状】この【案内状】が元職員と私の中にあったモヤモヤを払拭してくれた。私は心の底から元職員と和解が出来たと思った。いいえ、そんなに堅苦しいものではなく、ただ、嬉しかった。ただ、ただ、嬉しかった。
どんなに嫌な出来事でも自分から【心】を開いていけばきっと解決できる。相手から開いてくるのを待つのではなく、自分から【心】を開いていけばきっと相手に通じる。私は元職員から教えてもらった。これからもこの気持ちを忘れずに【幼児教育】に【自分つくり】に努力をしていきたいと思う。