Vol.138
2013.08.15
☆彡。。・・ 悔しかったこと、辛かったこと・・乗り越えたこと ・・。。☆彡

 例年になく・・というものではなく、今年の夏は記録的な猛暑日が続いている。立秋は過ぎたのに秋はまだまだ・・といったところだ。早く涼しい風に吹かれてみたい・・と、思うのは私だけだろうか。

昭和48年に開園した当園、今年で開園41年目を迎える。その間には色々なことがあった。ある年のこと、入園式を明日に控え、打ち合わせも終わり家に帰りついてホッと一息ついたときに玄関のチャイムが鳴った。当園の職員と職員の親御さんが一緒に玄関に立ってあった。「どうしたの?」と尋ねると職員が泣き出した。親御さんが「町立の幼稚園に受かったので美和台幼稚園を辞めさせてください」と言われた。私は自分の耳を疑った。「えっ?明日、入園式ですよ」「町立幼稚園の採用通知が今日きたので、明日から町立幼稚園に行きます」それでも私は自分の耳を疑った。もう一度、明日の入園式のことを話したが退職の意志はかわらなかった。私はすぐ幼稚園に飛んでいった。早く職員を探さなくては・・焦りの気持ちでいっぱいだった。その年に当園を受験してくれていた学生に片っ端から電話入れた。まだ携帯電話が普及してないときだったから各家庭に電話を入れた。「もう決まりました」どの学生からも新社会人としてのスタートをきる心構えが電話を通して伝わってきた。一人、まだ決まってません・・という学生がいた。私のはときめいた。しかし、明日が入園式ということを伝えると「二、三日、時間をください」という返事だった。二、三日では駄目だ。明日、必要なのだから。時は、11時30分を回っていた。最後の一人に電話を入れた。私の声は、体は震えていた。藁にもすがる思いとはこういうことを言うのだと思った。夜、遅い時間だったので、中々、電話が通じなかった。やっとつながった受話器の向こうから【いいですよ。私は美和台幼稚園に就職をしたかったから】天にも昇る気持ちだった。【感謝】の気持ちでいっぱいだった。涙が・・涙が、次から次へと溢れ出した。翌日、6時出勤で入園式の打ち合わせをして無事に終えることが出来た。私は町立幼稚園に電話を入れようかと思った。「当園の職員の退職届は受理していません。町立の幼稚園は他園の職員の引き抜きをするんですか?それが、町の在り方ですか?」と。しかし、それをしたからといってなんになるんだ・・よお~し!町立に負けないような給料を出そう。町立の幼稚園に負けないような保育をやっていこうと思った。絶対に町立には負けたくないと思って頑張った。それからフリーの職員を採用して、常に余裕がある適材適所の職員を配置していった。きつかったが【給料・賞与】も頑張って公務員並みに近づけていった。幼児教育は絶対に【私立幼稚園】がいいと保護者にも理解してもらえるように頑張った。