Vol.111

2011.11.15 Up

☆彡。。・・発 表 会・・。。☆彡

 若い頃のことだが・・趣味で習っていた「エレクトーン」の発表会があった。
小さなホールではあったが、観客席は一杯で華やいでいた。一人終わり、二人終わり・・当然、私の順番が近づいてくる。十二分に練習はしたつもりではあったがちょっと緊張している自分がいるのがわかった。それに比べると子どもたちは大舞台に強いなぁ〜と、子どもたちの素晴らしさを再確認した。
そんな中、私の名前がコールされた。ステージへの第一歩は、本当に緊張した。楽譜を置いて、いざ演奏へ曲目は「ロミオとジュリエット」途中まで気持ちよく弾けていると思ったその瞬間・・なっなっなんと、楽譜が・・
バサっと落ちてしまった。あちゃ〜!・・・私の心は、頭は、真っ白になってしまった。慌てて担当の先生が楽譜を拾って下さった。が・・心の真っ白、頭の真っ白は戻らなかった。あっははは・・と、笑うしかなかった。
会場をみると子どもたちの姿も多かったので、思い切って曲目を変えて「きらきらぼし♪〜ちょうちょたきび」を弾いた。真っ白だった心が、頭が次第にはっきりして最後まで弾けた。(違う曲を弾き出したので会場はちょっとざわついていた)
司会者の方が「みんなで一緒に歌いましょう」とアナウンスをしてくださったので助かった。それまでは、あちゃ〜!の気持ちは消えなかった。想定もしてないことが起こって、慌てて弾いた曲が童謡曲。「私は本当に幼稚園の先生なんだなぁ〜」と思うのと同時に情けなかった。あんなに練習したのに・・本番で弾くことが出来なかった。童謡曲でごまかして照れ隠しに会場に手を振ってさっさと退場してしまった。そして、自分自身に言い訳をしていた。「私が悪いんじゃ〜ない。楽譜が落ちたのが悪い」と。
でも、私の前の人も、後の人も誰ひとりとして演奏中に楽譜を落としたりする人はいなかった。みんな上手に演奏をしてあり最後まできちんと挨拶もしてステージを降りてあった。私が最後まできちんと弾けなかったのは、楽譜が落ちたからではない。楽譜をきちんと置いたかどうかの確認がなかったからだ。
それを楽譜のせいにして・・あっはは・・と笑うのではなく【反省】が必要だったのだ。それに折角、私の指導をしてくださった先生にも申し訳なかった。
この発表会で言い訳の虚しさを知った私はそれからはあまり言い訳をしなくなった・・というより「言い訳」をしないように意識するようにした。
すると【感謝】の気持ち・・何事に対しても『ありがとう』の気持ちが持てるようになったような気がする。何かがあったとき、人のせいにするのではなく、まず自分自身を見つめなおすことが大切なんだなぁ〜と気づかされた【発表会】であった。