Vol.105

2011.06.10 Up

☆彡。。・・信頼・思いやり・そして、結びつき・・。。☆彡

 梅雨に入ってやはりジメジメとした湿気の高い日が続いている。雨の日の室内遊び、雨を生かした保育を楽しむ・・などというが、やはり【みわだいっこ】は、夏の日差しを身体いっぱいに浴びて、遊びまわるのが似合っている。
しかし、この梅雨も必要だから日本の四季の中に位置づけられているのだろう。
嫌な梅雨だけど受け入れて雨の日の遊びを工夫していきたいものである。

当園にT・Mという男性の職員がいる。この職員は採用試験を受けて内定を出した職員ではあった。が、内定後、足のじん帯と半月板を痛めて手術を受けた内定者だった。とても4月からの担任は無理だった。私は内定取消しの電話を入れた。受話器の向こうに絶句しているT・Mがいた。ちょっと気まずい時間が流れた。園長先生!絶対に3月までに治しますので採用してください。お願いします!」絞るような・・そして、叫びにも似たような嘆願の声が響いてきた。3月まで治す・・と言われても、じん帯と半月板の欠損である。走り回って遊びまわることがモットーの当園には無理だった。それでも、「絶対!治しますから採用してください」の一点張りだった。「う〜ん」と唸る私に彼は自分の思いを必死になってぶつけてきた。
美和台幼稚園が大好きです」と言うT・M「頑張らせてください」と言うT・M。私の心が徐々に動いていった。こんなにも頑張りたい!という彼。意欲のありったけをぶつけてくる彼。果てどうしたものか・・
私が出した答えは「一年間の内定保留」だった。条件はリハビリをきちんと受けること。無理をしないこと・・この二点だった。そして、次年度に完治をしていたら【採用】ということを告げた。彼の喜びの声が響いた。
彼の必死の思いを信じてみようと思った。こんなに【美和台幼稚園】が大好きと言ってくれる彼を信じてみようと思った。そして、徐々に回復に向かっていく彼からの電話の声も明るくなっていった。私も彼にはよく電話をした。
リハビリ!頑張ってます」彼の声は希望に満ちていた。
4年間の担任を経験した後は、未就園児(当園ではフレンズという名称)の体操のお兄さん先生として、HPの担当として、バス乗務員として・・・その他、諸々の仕事をこなしている。当園にとっては欠かすことの出来ない職員となった。あのとき、内定を取り消していたら彼との出会いはなかっただろうし、これほどの結びつきもなかっただろうと思う。
必死の思いを受け止めること必死に自分の思いをぶつけてみること・・これは今の私の心の軸となっている。まず、人を信じてみること。じゅっくりと考えて答えをだすこと。イエスの答えも、ノーの答えも