Vol.095

2010.11.30 Up

☆彡。。・・自分が出来ること・・訓練・・練習・・。。☆彡

  テレビで衝撃の映像を見た。ピアノを足の指で弾いている映像だった。
それもただ練習をしているのではなくピアノのコンクールでの映像であった。審査員、観衆の人・・みんなが涙を流しながらその人のピアノに魅了されていた。その人は・・中国人・・男性だった。何故?足の指でピアノを弾くようになったか・・?10歳の時に友だちとかくれんぼをして遊んでいるときに、高圧線に触れて感電して40数日の間、意識不明のままで生死をさまよってやっと意識が戻った時には両手がなくなっていた。10歳の男の子・・ウエイ君は泣き叫び、狂ったようになりながらも自分に何が起こったのか・・両手がなくなった事実を受け入れることが出来なかったのだ。「ご飯を食べることも、遊ぶことも出来なぁ〜い!」泣いて、泣いて、泣き叫んでいるときに、お母さんから「手がなくても、何でも出来るように今から練習するのよ!」と、叱られたウエイ君。それでも意味がわからず泣き叫ぶウエイ君。多分、私も今、急に両手が肩の付け根からちぎれて無くなったら泣き叫ぶだろうなと思った。
お母さんは静かに「私たち親の方があなたより先に死ぬのよ。そうしたらあなたはどうやって生活をしていくの?お母さんたちがいなくなってもあなたは頑張らなくてはいけないの!」と、諭すように話しかけられた。
その日からウエイ君の足の指が、手の代わりとなって動き出すのである。
もともと、活発で、元気な男の子であったが、血のにじみ出るような訓練が・・練習が始まった。弾いたこともないピアノにも挑戦して、独学でピアノの練習に取り組んだのが19歳の時である。ピアノの椅子を高くして足の指でピアノの弾くウエイ君。並々ならぬ努力が審査員に、観衆の人に伝わり涙の特別賞を受けたのである。そして、今は世界各国のピアノコンサートツァーが組まれて、みんなに素敵なピアノ演奏を披露している。頑張ったウエイ君・・でも、お母さんはたまらなかったと思う。自分たちが生きて世話が出来るまではいいとしても、自分たちがいなくなったらこの子はどうなるのだろうか・・・?
いなくなってもしっかりと前を向いて生き抜いて欲しいと願った親心・・!
可哀そう・・可哀そう・・ではなく、親の自分たちがいなくなっても、両手がなくても命の限り生きて欲しい!と願う親心。厳しい言葉が飛び交う中、一生懸命にそれに応えていくウエイ君。
私は教えられた。出来ない!のではなく、やってないのだ!と。重ねた年のせいにして「きつくてできな〜いと嘆いている昨今」そうじゃーない。重ねた年齢の者にしかできないことがたくさんあるはずだ。若い職員に伝えたいこと、保護者に伝えたいこと・・私にしか出来ない仕事がたくさんある。そのことに向き合って【社会に役立つ人】を育てながらも、私も一緒に育っていきたい。
常に前をみつめて・・自分を信じて・・歩いて行きたい。