Vol.076

2009.05.18 Up

☆彡。。・・私を動かしたもの・・。。☆彡

 当園にトーマスバスがやってきた理由・・それは某業者からの一通のダイレクトメールだった。「試乗車としてトーマスバスの貸し出しをします。ご希望の幼稚園はお申し込みください」と言う内容のダイレクトメールだった。私はきっとたくさんの幼稚園さんが申し込みをされると思ったが駄目もとでもいいから・・・と軽い気持ちで申し込んだ。申し込んでいることさえも忘れかけていたある日、某業者から「貸し出し」の連絡が入った。貸し出しは二週間。パンフレットではトーマスバスは見ていたが、実物は果たして・・・
明朝、バスが到着との連絡を受けて心待ちに待った。朝早く到着したバスを見て胸が躍った。そこには「トーマス」がいた。機関車トーマスがいた。
道歩く人も小学生も「トーマス、トーマスがいるよ」と騒いでいた。早速、子どもたちを乗せて走るトーマス。「さぁ〜!出発だ!」と言わんばかりにバスは走る。道を走っていると子どもたちが手を振った。バスの中からも歓声があがっているのが聞こえた。野山を気持ちよさそうに風を切って走るトーマス。夢を乗せて走るトーマス。二週間、【みわだいっこ】の夢を乗せて走ったトーマス。歩きコースの子も朝バスが終わってからちょっとしたコースに乗せた。みんなが喜んだ、大好きなトーマス。
でも、二週間はアッというまに過ぎ去った。さよならの時が来たのだ。
「もう今日でトーマスとお別れだよ」と言ったとき、子どもたちが「いやだぁ〜!トーマスを連れていかないでぇ〜!」叫んで、トーマスを囲み出した。小さな手と手をつないで大きな輪が幾重にも広がっていった。
泣きながら「おじちゃんトーマスを連れていかないで!」とみんなが口々に叫びだした。業者も「今まで貸し出しをしてこんなことははじめてです。なんか悪いことをしてるみたいで」と動くに動けない状態になった。正直、業者の目にも涙が・・・その様子を見て私は「う〜ん」と頭を抱え込んでしまった。
ほんの軽い気持ちで「無料の貸し出しで乗れるのならラッキー」そんな気持ちで申し込んだトーマスバス。それがみわだいっこのみんなのがひとつになってトーマスを囲んでいる。ほほずりしたり、くちづけをしたり・・・みんなの中にトーマスが生きている。私の心の中に徐々に動いていくものがあった。
日本には大きな決断をするときによく「清水の舞台から飛び降りる・・」というが、「これが清水かなぁ〜」とが動いた。頭の中は真っ白だったが【】は確実に動いていた。子ども・・みわだいっこの力は凄いと思った。考えもしなかった私の【】を動かした。小さな子どもたちの無邪気な心に私は感動した。そうしてトーマスバスが当園にやってきた。子どもたちの【】は私の【】を動かしたのだ。小さな子どもたちだが人を動かす力は偉大なるものだった。
何事にも精一杯ので望めばは、叶う!と子どもたちに教えられた。