Vol.026
2005.01.18 Up

☆彡〜・。。・盲・導・犬・。。・〜☆彡

盲導犬が産まれてから実際に訓練を受けて、飼い主に手渡されるまでの歩みのテレビをみた。
その盲導犬・・子犬は母親の帝王切開という予期せぬ出来事の中で、生まれてきた。名前をモカと名づけられてた。母親にい〜っぱい甘えて育つモカ。
やがて50日の時間が過ぎた。モカは母親と別れて育つことになる。

モカはパピーウォーカー(盲導犬の卵を一年間、預かる人)に引き取られて、盲導犬としての道を歩くことになる。ここからもう盲導犬としての訓練が始まっているのである。
パピーウォーカーの家族は一年間、愛情をたっぷり注いでモカと過ごす。
海に行ったり、公園に行ったり、キャンプに行ったり、シャンプーもしてもらったり・・家族から・・家族の一員として、い〜っぱいの愛情に包まれて育つモカ。一年の月日は瞬く間に過ぎていく。やがてモカは盲導犬の訓練所に入所することになる。
パピーウォーカー(家族)と別れを惜しむモカ・・・また家族の一員として共に生活をしてきたパピーウォーカーも同じである。涙・なみだ・涙・・の別れである。
モカはこの別れがいつもと違う状況に気がつく。じっと家族をみつめて・・
サッと振り返ると、後ろを振り向くこともなくまっすぐ訓練所をみつめて歩いていく。その姿には自分に課せられている訓練・・光を失った人の役にたつ・・という任務がわかっているかのようである。

やがてモカは盲導犬としての厳しい訓練を受けるようになる。このとき、パピーウォーカーからの惜しみない愛情をいっぱい受けたか否かが訓練の基本となっているようだ。盲導犬の卵としてこの世に生まれてきても、全部の犬が盲導犬として活躍できるわけではない。
モカは厳しい訓練に耐えた。そして見事に盲導犬としての任務が与えられた。モカが2歳のときだった。

普通、盲導犬は12歳ぐらいで任務を終える。そして老後は「老犬ホーム」で生涯を終える。しかし、10年もの月日を飼い主と共に過ごすと任務が解けても中々、飼い主から離れようとはしない。「生涯をかけてこの人を守りぬく」という思いがありありと伝わってくる。
我々人間社会で失われている大切なものをこの盲導犬・・モカが教えてくれているような気がする。
得てして人の命を何とも思わず奪ってしまう人がいる。こんな人たちにこの盲導犬の厳しい訓練、自分(犬)の命にかけても飼い主のために一生懸命尽くす盲導犬の姿をみせたいものである。

また、あるパピーウォーカーは任務を終えて「老犬ホーム」で余生を過ごすことになった盲導犬を家に引き取って、家庭の中で余生を送らせたい・・と言う思いから自分の家に迎え入れることを決心する。

生まれて50日・・母親犬から離れて一年間、家族の一員として育ててきた盲導犬のことが忘れられないこと、任務を終えた盲導犬をいたわってあげたい、人様のために一生懸命尽くした盲導犬に「ありがとう!よく頑張ったね」とねぎらいの言葉をかけてあげたい・・・と言う思いが通じて夫婦(パピーウォーカー)で迎えに行くのである。

訓練所の前に立って「一緒に生活をしたのはもう10年も前のことだから・・・
ましてや1年間しか一緒に生活していないから・・覚えていないでしょうね」と、微笑む夫婦・・遠くにかすんで見える盲導犬・・ラン!
夫婦が「ランちゃ〜ん」と手招きをしたときである。盲導犬は夫婦の元へ一目散にかけだしたのである。

生まれて50日で母親犬から離れて、盲導犬となる基礎つくりのために1年間、パピーウォーカーの元で、愛情たっぷりに育てられた「ラン!」
たった1年間という短い時間ではあるが、共に生活をし、共に楽しんだ時間だった。きっとランの中には1年間というかけがえのない時が思い起こされたに違いない。

これも我々(私)が人間の社会で忘れているものを教えてくれたような気がする。
幼児教育に課せられている原点を見たような気がした。