Vol.021
2004.10.26 Up

☆。。・・しつけの基本三原則・・。。☆

 今、私の手元に森信三先生の 新たなる『人間の学』という一冊の本がある。
その中に【しつけの基本三原則】という項目がある。森先生のそのままの文章を引用させていただくことにお詫びを申し上げて・・・
母親として子どもに対する義務はけっして育児だけに終わるものではなく、やがて家庭教育が問題となってくるわけで、むしろこれこそは母親にとっては、より重大な任務といっていいでしょう。
そこで家庭教育についてですが、それは「良い子になりなさい」とか「リッパな人間になるんだよ」というような、一般的観念なお説教をすることではないのであります。
そうではなくてわれわれ人間が、社会生活を営む上からして、どうしても必要な処作というか、たしなみというもの、これがしつけというものであります。
それについて、しつけの根本は、次に述べる三つの事柄さえしっかり身につけさせれば、それで親としてのしつけの義務は、一おう済むと考えるものです。
三つの根本的なしつけ
1、 朝起きたら必ず親や祖父母に対して、朝のあいさつの出来る子に
2、 両親や祖父母から呼ばれたら、必ず「はい」とハッキリ返事のできる子に
3、 ハキモノを脱いだら必ずそろえ、席を立ったら、必ずイスを入れるように
以上三つの根本的なしつけを充分わが子の身につけさせたら、もうそれだけで、すべてのしつけの土台はできたと申してよろしいでしょう。
では何故わたくしが、以上の三つさえ十分身につけさせれば、それでしつけの根本的な義務はすむと申すかと
1、 親に対して朝のあいさつができるようになり
2、 また親に呼ばれて「ナーニ」といわないで「はい」と答える事によって、心のコップが上向きになって、相手の言うことが聞けるようになるのです。では第三の
3、 ハキモノとイスのしつけは、一体どういう意味があるかと申しますと、これは人間のしまりと共に、お金のしまりも、それによって身につけさす事ができるのでありまして、これは人間のたしなみの根本といってよいでしょう。
しつけの時期とその方法
では一体どうしたら、これら三つの根本的なしつけを、わが子の身につけさす事ができるかという問題でしょう。そこでまず時期の問題ですが、一体いつごろが適当かと申しますと、それは幼稚園に入る前後から、遅くとも小学校へ入るまでに、以上の三つのしつけを完了しなくてはならぬのでありまして、そうすればどんなご家庭でも、またどんなお子さんでも、何らの支障もなく、リッパに身につけさすことが出来るのであります。

そこで最後に、しつけの仕方の問題ですが、それはしつけというものは、お説教では出来ないものだというのが根本原則であります。随(したが)ってしつけの根本責任者たる母親自身の実行以外には無いわけであります。
実際問題としては、毎朝母親が、家中の者に向って、ハッキリした朝のあいさつをすることが第一であります。そうしますと、こどもたちも皆あいさつを返しますが、それを続けていますとそのうちに、子どもの方から先にあいさつをするようになります。次のハイという返事についても、全く同様なやり方をするわけです。
ただ最後のイスとハキモノだけは、これだけはどうしても教えてやらねばならぬので、幼稚園へ入るころからしつけないと手遅れというわけであります。

ちょっと長い文章ですがいかがでしょうか?しつけ=根気ですね。