みなさんは「インプリンティング」と言うことばをご存知ですか?
インプリンティングとは刷り込みという意味だそうです。
ことばを持たない動物たちはこのインプリンティングによって子供たちに生きていく糧を教えていきます。親が子のそばにいて、生きていくのに必要なことをあれこれと実際に体をつかって教えていきます。
ライオンの親が狩の仕方を身をもって子供たちに教えていくあの様です。
草むらに身を潜めて、狙った獲物に気づかれないように近づいていきます。
それを子供たちはかたずをのんでみています。母親が狩に成功したら子供たちは一斉に飛び出して餌を食べます。やがてライオンの子供たちも少しずつ、少しずつ狩の練習をしていきます。
親がしていたとおり(インプリンティング)に、狩に挑戦(練習)していきます。失敗があります。失敗したからと言って狩をやめると餌を食べることは出来ません。くりかえし、くりかえし、狩に挑戦(練習)していきます。そして、自分で生きていく糧を身につけたとき、母親は子供から離れていきます。
ことばをもたない動物たちはこうして子供たちに生きていく糧を教えていきます。
では、人間は・・・ことばで意思表示をすることが出来ます。だから「絶対語感」が必要だと外山教授は言われます。
生まれたばかりの赤ちゃんは視力も運動能力もまだ完全ではありませんが聴覚だけはほぼ完全に発達しているそうです。
お母さんのお腹にいるときから赤ちゃんはお母さんの語りかけに反応しているそうです。
赤ちゃんが生まれたらその日のうちに母親の声を聞かせることが望ましいそうです。
赤ちゃんはお母さんが話しかける「ことば」を何度も何度も、くりかえし、くりかえし、聞いているうちに、少しずつ「ことば」を覚えていきます。このはじめのことばを「母乳語」というそうです。
赤ちゃんがお母さんの母乳だけで体がどんどん成長していくように、赤ちゃんの心はこのお母さんの「母乳語」によってどんどん発達していくそうです。
「母乳語」の特徴として
・ 普通より、すこし高い調子の声で話す
・ 抑揚(よくよう)を大きくする
・ くりかえし言う
・ おだやかに、できれば、ほほえみを浮かべて話す
これに注意をして話しかけると良いそうです。なかでも「くりかえし言う」ことが一番重要だそうです。
考えれば、どんなに優秀な子でも、はじめて聞いたことばを一度や二度ですぐ簡単に覚えることはできません。何度も何度もくりかえし、くりかえし、聞いているうちに自然と覚えるものです。
動物の親がインプリンティングして何回も何回もくりかえし、くりかえしして教えていくのと同じです。
幼稚園の発表会や運動会も同じですね。劇のせりふを覚えるのに、くりかし、くりかえし、練習をして覚えていきます。ダンスも曲を聴きながら、くりかえし、くりかえし練習をしていって自分のものにしていきます。
絵本を読んであげるときも「くりかえし」のことばがでてくるのは子供たちは好きですよね。
「母乳語」新しいことばですが、赤ちゃんに、子供たちに「母乳語」を、い〜っぱい!与えて、心がすくすく育っていく日本人を育てていきましょう。
次回は「離乳語」です。
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