Vol.004
2003.12.10 Up

今回も人生・・・命について・・・を一緒に考えてみましょう。

ごめんなさいね おかあさん   ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい  ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう  
ぼくさえ 生まれなかったら   かあさんの しらがもなかったろうね

大きくなったこのぼくを   背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる  つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

ありがとう おかあさん   ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり  ぼくは生きていくのです
脳性マヒを生きていく   やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい

そんな 人の生き方を  教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり


これは15歳の重度脳性マヒの少年・・山田康文くんがかいた詩だそうです。
かいた・・といっても、生まれた時から全身が不自由、口も利けなかった康文くん。
この詩は康文くんが養護学校に通っているときに、養護の先生が彼を抱きしめて、彼の言葉を全身全霊で受け止め、聞かれて、彼が言いたい、伝えたい言葉をまとめて詩にして下さったそうです。
彼が伝えたい言葉がイエスのときはウインクでサインを、ノーのときは舌を出して話していく・・

一字・一句のサインを聞き逃さないように、見落とさないようにして二人の会話は続けられて、この「詩」は出来上がったそうです。
詩が出来上がって2ヵ月後・・・彼・・康文くんは亡くなりました。

必死に生きた彼・・必死に共に歩いてくれたお母さん・・支えてくださった養護の先生・・
自分を生み育ててくれたお母さんに、自分の気持ちを一生懸命伝えようとした康文くん・・・それを養護の先生に託して逝った彼の心が、安らぎが伝わってくるようです。

人生とは・・命とは・・皆様方はどのように感じられますか。